ワンダリングスターズ・全話完結の後書き


『五聖神黙示録』と『フューザーソルジャーズ』の第1弾以降を書きあげた後、「いつかは宇宙を舞台にしたSFを書きたい。だけど、それが書けるのは随分後のことになるだろう」と考えていた処、外出先のある町で『ワンダリングスターズ』の登場人物が浮かび上がってきて、忘れないように携帯電話でメモをし、帰宅した後構想のノートを書き上げて、設定書を見ながら書いたのが2012年1月で思っていたより早くできたのが、最初の想い出。


 それから7ヶ月かけて完成させて、K書店の賞に送ったけれど一次にも入らず無料閲覧の自作サイトで発表することに。


 農業惑星ホジョで過ごしてきたリブサーナが宇宙盗賊の襲撃で家族も村もなくした後、宇宙の雇われ兵団ワンダリングスに助けられて宇宙進出し、それから見知らぬ星や星域を旅し、人型異星人や人外の異星人、有機合成人レプリカントなどの多くの種族との出会いと別れを綴る物語に。


 ワンダリングスの最後の敵は2年前にはすでに思いついていたので、宇宙を創造した六柱の神と共に戦うというスケールの大きなものになってしまったけれど、ようやく終わらせることが出来て一安心している。最後の弾を書いている時に「途中でメインの誰かが戦死するのでは?」という不安にも駆られたりもしたけれど、その心配から回避できたのは言うまでもない。


 戦いの後は平和で、平凡で素朴な日々が並んでいくのは何よりも最大の幸福だと作者は思う。主人公リブサーナの結末は、「故郷のホジョ星に戻って農業をやる」ことになってしまったけれど、作者はこれでいいと決めた。


 第1弾から読んでくれていた人も、途中で読みだしてくれた人も、最後まで読んでくれてありがとう。『ワンダリングスターズ』は筆を置きますが、他の小説は続けていくので今後とも応援を願う。


                                      2020.12.13付け