8弾・9話 最大の戦いの終わり、そして……



 「みんな、遅くなって済まない。僕は長いこと、非留古の部下たちに囚われの身となり、共鳴の波動を出すことが出来なかった。だけどようやく、僕の依代となってくれた者がいてくれた。さぁ、他の依代たちの寿命を縮めないように非留古との戦いを終わらせよう」

 雷心のリツァールが他の創造神に告げると、非留古がまたしても攻撃を仕掛けてくる。

「うう。だが、依代の命はいつまでももつかな? 我は倒されも封印も受けぬ。宇宙を、支配するのだぁっ!!」

 非留古の全指から濃緑の光線が一斉に撃ち乱れ、上昇したかと思うと降雨のように折り返してきて、六柱の創造神に向かってくる。

「ああっ、あんな攻撃じゃ流石に防ぐことは出来ても、かえって依代の人たちに負担が……」

 ヘスティアが総帥室のモニター越し両者の戦いの場面を目にして狼狽える。六柱の創造神はそれぞれ緑色のオーラ状、炎の盾型、風の防壁、氷の大鏡、満月型の波動、雷の膜の防御を出して非留古の攻撃を防いだ。互いの攻撃がぶつかり合って、白と黒に近い緑のハレーションが起きる。

「うおっ!!」

 その眩しさのあまり連合軍基地にいるグランタス艦長や連合軍兵、テーラ星魔神軍の宇宙艇の中にいるベラサピアたちは画面越しでも目がくらんだ。

 すると、非留古を包んでいたオーラが消え去って、非留古の真の姿が現れる。

 灰色のブヨブヨした軟体状の体に赤い小さなつり上がった双眸と大きな口の姿をした生命体――。これが非留古の真の姿であった。

「おのれぇ、創造神!! よくも周りの宇宙生命を欺き続けてきた我の姿をさらし出してくれたなぁ! 赦さぬ!!」

 そう言って非留古は創造神にエネルギー弾の乱射や光線を発射していき、非留古の攻撃が創造神の近くにあった衛星や小惑星に当たり、その破片が砕け散っていく。

「あれが非留古さまの本当の姿……」

「まさかあんな姿だったとはね。さっきのとは大違いだわ……」

 リークスダラーとベラサピアが非留古の本当の姿を目にして呟く。

「だけど非留古さまがどんな姿をしていようが、俺たちは非留古さまの配下だ。非留古さまは押されているようだし、俺たちがフォローしてやらないと」

 エルダーンが主の様子を見て呟く。

「よし、宇宙艇を非留古さまの元へ向けろ。お助けしなければ」

 リークスダラーが宇宙艇のパイロットにそう通信して伝えた時だった。百二十歳のレプリカントのヴィルクが百年以上存命しているレプリカントに芽生える特殊能力の一つ、予知能力を察して皆に伝える。

「いいえ、こちらに危機が迫ってきています……。あと十秒で来ます……」

「何?」

 エルダーンがそれを耳にすると、別の方向から大型の宇宙艇が何機が出現したのだった。ヒートリーグたちテクロイドの宇宙艇である。

「テーラ星魔神軍の生き残りは我々が攻め落として壊滅させた! 残るはお前たちだけだ!」

 テクロイドの将校がエルダーンたちの宇宙艇に告げてくる。ヒートリーグはモニター画面の一つを目にして、巨大な軟体生命体と六人の装甲に纏われた戦士たちが戦い合っているのを目にする。

「あれは……! そうか創造神が六柱全員揃ったんだな! 後はどうやって終わらせるかが……」


 六柱の創造神たちは非留古に連続攻撃を繰り出してくる。創造神たちは感じていた。依代になった者たちの寿命と体力がどこまで削られていったかのを。

「どうした創造神? 実体のないお前たちは依代の体を借りない限り、戦うことが出来ないのは知っている。もう依代の命は持たないかもな」

 非留古は創造神たちにエネルギーのつぶてや光線を撃ち放ってくる中、かすかな温かみを感じた。すると、連合軍宇宙基地から緑・赤・紫・青・白・黄の光の玉が次々と注がれていたのを。連合軍基地だけでなく、宇宙中の全生命、リブサーナの故郷のホジョ星の王族や星民、フリズグラン星の民、宇宙温泉の主人と従業員たち、多くの宇宙星民が非留古と戦っている創造神たちに自分の想いを届けていったのだった。

 すると創造神たちの力がみなぎり、六柱の創造神は六方を囲むように非留古の前に立ち、宇宙星民と自分たちの力、そして依代となったリブサーナたちの想いも合わせて、非留古との戦いを終わらせるための最大の悪滅法を放ったのだった。

「悪滅法、ライブリバイバル」

 それぞれの創造神から緑・赤・紫・青・白・黄の光の波動が放射され、非留古に降り注がれる。創造神の聖なる力、宇宙全星民の想いが合わさったその力は非留古は敵わなかった。

「うおおおおお……。宇宙を混沌と狂乱による支配がぁぁぁぁ……?」

 非留古は断末魔を上げていったが、体は光の波動に呑み込まれていき、光が治まった後、小さな白銀の光だけが残り、その光はどこかへと飛んでいった。

 新たな星の誕生である。


  リブサーナは長いこと暗闇の中にいた。体に重たいものがまとわりつくような感覚が次第に軽くなっていき、やがて周囲の闇も白じんでいくのを感じると、リブサーナはまぶたをゆっくり開かせた。

「う、ここは……?」

 リブサーナは呟くと、自分は透明な筒の中にいて、タンクトップとショートパンツの服装で、腕には栄養チューブの管、胸の近くや腹部には生命パルスコードがつながっており、顔を少し傾けると隣にはアジェンナとブリックもいることに気づく。

「おおっ、リブサーナ嬢が起きたか!」

 白衣を着て背びれを持つ恐竜型異星人の連合軍医師がリブサーナが目覚めたのを目にして、尋ねてくる。

 ここは連合軍本部基地内の医療室で、リブサーナたち創造神の依代たちは宇宙空間を漂っている処をテクロイドたちに救出されて、すぐさま連合軍本部基地の医療室に入れられたのだった。

 リブサーナだけでなく、アジェンナ、ドリッド、ブリック、ピリン、そしてハミルトンも目覚めて、総帥、ヘスティア、グランタス艦長も医療室の中への面会許可が下りると、仲間たちの無事を確かめる。

「みんな、よくやった……。非留古はもういなくなったぞ」

 グランタス艦長が目覚めたリブサーナたちに非留古の消滅を伝える。

「そうか。俺たち宇宙最大の危機を撃ち破ることが出来たんだな……」

 ドリッドが呟いた。

「にしても、ずいぶんねたぉ。ヒリュコをやっちゅけたあととはいえ」

 ピリンが寝ぼけまなこながらも述べる。

「ええ……。みなさん、百二十時間も眠っていたんですよ。だけど、テクロイドのみなさんのおかげで早めに治療が済んだから良かったものの……」

 ヘスティアが言ってくると、みんなこんな長く眠っていたことに仰天する。

「だが、みんなよく帰ってきてくれた……。また宇宙の均衡が保たれていくだろう。しかし、これからが大変だろう。何故なら非留古の軍に滅された星民の住居の配慮や星々の復興……。ワンダリングスの仕事はこれからたくさん待っている。それでもいいか?」

 グランタス艦長が皆に訊いてくると、リブサーナ、アジェンナ、ドリッド、ブリック、ピリンは答える。

「もちろんです! みんなとまたいられるのなら……」

「故郷のアンズィット星にも報せないとね……」

「ワンダリングスの今度の仕事内容は星民救済か。戦いではないけど、やるぜ」

「最後まで通しぬきますよ」

「よ〜し、がんばりゅぞ〜!」

 リブサーナは自分と同じ場所にハミルトンがいることを目にすると、雷心のリツァールの依代に選ばれたとはいえ、宇宙レポーター志望の彼はこれからどうするのだろうと思った。

 その後、リブサーナたちは連合軍本部基地の食堂でささやかな非留古打倒の立食会に参加した。一度に三百人が入れる連合軍本部基地の食堂の長テーブルには、近くの星域から手に入れてきた酒や果物、肉や野菜や魚を使った料理、麺料理やパン、菓子も豊富だった。

 ワンダリングスの他、健康な宇宙連合軍の兵士たちや総帥、ヘスティアやヒートリーグもこの立食会に参加して、宇宙の平和を取り戻したことを祝った。

「いや〜、何日も食ってなかったから、いつもより旨ぇわ!」

 ドリッドが肉の素焼きを食べて唸る。

「やっぱり花蜜酒はサイコーよね〜」

 アジェンナがある惑星の淡いピンクの酒を飲んで酔い楽しむ。

「はい、あーんして」

「セルヴァ、みんながいるんだが……」

 ブリックの恋人のセルヴァがマッシュした芋をゆでた野菜と鳥卵と肉を包んで焼いた料理をブリックに食べさせようとする。

「すっごくいいよぉ、これもこれも」

 ピリンが料理や菓子を一皿ずつほおばりながらグランタス艦長に言う。

「いくらたくさんあるからって、無理して食うな」

 そしてリブサーナとハミルトンは大勢から離れた場所で料理を食べていた。

「――まさかハミルトンが雷心のリツァールの依代になるなんて、思ってもいなかった」

 リブサーナがリツァールの依代になったのが以前ワンダリングスで宇宙リポーターとしての研修に来ていたウェールズ星大統領子息のハミルトンだったことには予想していなかったことを呟いた。

「ウェールズ星に戻ってから、僕は女の子に助けられていたことに迷いを感じて、僕は『男である自分がこのままでいいのか』と疑問を抱くようになった。突然とはいえ、宇宙最大の危機の危機が 訪れた時は、『僕にも出来ることがあれば必ずやる』と次第にその意志は強くなっていった。それで、雷心のリツァールと共鳴したんだろうな」

ハミルトンは自分が依代になった訳をつらつらと話す。

「だけども、あなたが自分の身の危険を顧みず来てくれたのは、きっと創造神たちの導きかもね。わたしや艦長たちは、ハミルトンに感謝している」

 リブサーナはハミルトンに礼を述べた。

「いや、僕らだけでなく宇宙の平和を願う人々のおかげで、ここまでこれたんだよ。

 あと、リブサーナ。言いそびれたことがある……」

「何?」

 リブサーナはハミルトンに尋ねてくる。

「ウェールズ星に戻ってからも、君のことをいつも思うようになっていた。僕と付き合ってくれないか?」

 それを聞いてリブサーナは心臓が止まりそうになるも、まさか異星の男子から告白されるなんて思ってもいなかった。

「君がこれから宇宙各域の難民救済や星の復興で忙しくなるのはわかっている。……だけども、僕のこの想いは今のうちに伝えておきたかったんだ……」

 ハミルトンはウェールズ星人特有のサイコリーディングでリブサーナの心の内を確かめようとしたが、今はよした。男としてふしだらだからだ。リブサーナは目を潤ませながら返事をした。

「ありがとう、ハミルトン。わたし、嬉しい。こういう風に思ってくれている人がいてくれたなんて」

「リブサーナ……」

 宇宙で幾多の出会いと別れを繰り返してきたリブサーナ。だが、その出会いの一つが新たな人生の変化を与えてくれた。


 宇宙創造神たちは非留古を倒し、新たな星の命に転生させた後、再び魂の結晶だけの状態に戻り、その魂の結晶は宇宙中の非留古によって滅んだ星の破片に恩恵の光を与えていった。

 六色の流星が宇宙中を走り廻り、滅んだ星々は次第に大地や海と空気、その他の元素に満ちた星に生まれ変わっていった。

 テーラ星魔神軍の所属者たちは非留古がいなくなった後は連合軍によって捕まるが、彼らも非留古によって星民を捕虜にとられたり、自分の星と敵対している星民によって故郷を滅ぼされたりとしていたために非留古につくしかなかったという理由のため、彼らもワンダリングス同様に星の復興や難民救済の奉仕を受けることになったのだった。

「は〜、まさか随分前まで連合軍と戦っていた俺たちが、連合軍の手伝いをするなんてなぁ」

 ある惑星の都市部でエルダーンが他のテーラ星魔神軍の兵士や星民と共に下水道の工事やビルの復興に励みながら呟いていた。

「まぁ、刑罰だと流石に厳しすぎるから、労働に課するという連合軍の案なのでしょう」

 ヴィルクが手押し車でセメントの袋を押しながらエルダーンに言った。

「重機の操作って思ってたよりいいわぁ」

 ベラサピアは建築中のビルの上でクレーンを操縦し、鉄骨を持ち上げていた。

「はい。工事中は迂回を願います」

 リークスダラーが道路の乗り物や歩行者の交通整理を行う。


 こうして非留古が滅んだことにより、宇宙最大の危機はなくなり、星域の生命たちは復興や再生に励んでいった。〈日常〉が数ヶ月で立て直った星もあれば、五年十年かかる星もあった。

 連合軍も宇宙盗賊や宇宙船テロリストなどの犯罪者の捕縛に勤しみ、またワンダリングスの他にも各星域に下位部隊を設けることになった。そのためテーラ星魔神軍がいた頃よりも、宇宙の秩序と公安が保たれていった。

 当のワンダリングスはというと、非留古との戦いから二十四時間単位で一年後、各々の道をたどるようになっていた。

 グランタス=ド=インデスは老齢のため、ワンダリングス艦長を退役し、故郷のインデス星に戻って甥のインデス王によって公爵の地位を与えられ、現在は領地の一角を治めることになった。

 ドリッドはグランタス艦長の後を継いでワンダリングス二代目艦長となり、ドリッドに憧れてワンダリングスに入ったゼータ星域の若年層を厳選してワンダリングスの艦員に任命し、連合軍の依頼を受けて任務を受けていた。

 ブリックは恋人セルヴァとようやく夫婦になり、エプシロン星域を行き交う医療師となった。また未知の星の菌の治療法や新薬の開発にも怠らない。

 アジェンナは宇宙吟遊詩人のティリオと恋仲になった後結婚して、彼の故郷のエイスル星で楽器店を営むようになり、宇宙ピューマのシブとも暮らしている。またアンズィット星のアジェンナの両親と姉妹もアジェンナの無事を知ると、「たまにはアンズィット星に帰ってくるように」と通達していた。

 ヒートリーグたちテクロイドはメタリウム星やその周辺の星や植民星で鉱物発掘などの仕事に勤しんでおり、またヒートリーグが宇宙流浪していた経験もあって、ヒートリーグは宇宙進出希望のテクロイドたちの教官に任命された。

 リブサーナとピリンはどっちも身寄りがなかったとはいえ、ホジョ星のゴラスベーノ王の計らいで、ホジョ星の星住許可をもらうことが出来たのだった。

 リブサーナはホジョ星の時間で一年半ぶり――二十四ヶ月ぶりにホジョ星の新しい村で暮らすことが出来たうえ、新しい村カザフィーの村長の座を与えられたのだった。リブサーナは十八歳になっていた。

 リブサーナはワンダリングスが宇宙各域の難民救済と星の復興の役目が連合軍だけでいいとなると、グランタス艦長がワンダリングス艦長の引退を告げてきたので、リブサーナたちも選択を迫られたのだった。そして今の結果に至る。

 カザフィー村は首都から南東へ二十キロ先にある平地に家屋と田畑、他にも寺院や学校、はたまた三階建ての大型市場まで建てられていた。何よりカザフィー村の特徴は行き場を失くしたホジョ星人だけでなく、ホジョ星周辺の異星民までいることであった。

 リブサーナは約二年ぶりにホジョ木綿のシャツやスカート、ホジョリンネルのベストや革靴を身につけて村民たちと共に穀物や野菜と果物作りに精を出した。体力のある異星人は畑を耕したり、水棲型異星人は次々に井戸を掘り出し、また農学の知識を持つレプリカントなんかは天候の計測や作物の害虫駆除に使う自然素材の薬品を作ってカザフィー村の損害を少なくしてくれた。

 晴れ渡る秋の空は青く染まり、細かな鎖のようなウロコ雲が浮かんでいた。ホジョ星人から異星の民は実が成ったサイノメ麦やまだら豆や秋に成ると美味いといわれるマッツォ米などの収穫、蔓上の木に粒がいくつもなる青紫色や緑白果実バコスが鈴なりに実った。バコスを発酵すれば果実酒になり、またバコスのないホジョ星内の地域や異星に輸出する。

「サァーナ、こんどのあきまちゅりは、はんじょーすりゅよね」

 今はリブサーナと暮らしているピリンが首長鳥の野禽ググーガの放牧をしながらリブサーナに訊いていた。

「うん。でもさ、一六歳の時にホジョ星を一旦離れて宇宙中を旅をしてみて気づいたの。『星や星域によって平和や災厄の度合いが違う』ってね。

 非留古との戦いが終わった後、宇宙中の復興をしている時にわたし、気づいたの。『ホジョ星に戻ってそこで暮らしたい』って。わたしは農業惑星ホジョの人間で、戦いより畑仕事の方が向いていたのよ。平和と平凡は同等なのよね」

 草原では白や茶色の羽毛のググーガたちがグガァ、グガァと鳴きながら駆けずり回っていた。ググーガの放牧が充分になると、リブサーナとピリンはググーガの群れを連れてカザフィー村の自分たちの家へと帰っていった。

カザフィー村の家屋はどの家も石切やレンガの壁と木材の窓と扉、家畜小屋もググーガのような野禽は木製の家畜舎、枝角牛や三毛羊などの大型の家畜は家よりも半分の大きさの石切の小屋に収容していた。

 リブサーナの家は村の最東にある三階建ての民家二軒分の邸宅で、多くの花が咲き乱れる花壇や外でお客さんと過ごす東屋もあり、中も台所や風呂場、サロンや客室、部屋も十あった。

 リブサーナとピリンが帰ってくると、台所ではリブサーナの夫となったハミルトンが今日の夕食を作り終えていた。食卓の上にはミルクを使ったスープや雑穀パン、サラダや鬣豚のソテーの皿が湯気を立てていた。

「お帰り、リブサーナ、ピリン」

 リブサーナとピリンは手洗いとうがいを済ませると、台所に来て椅子に座って食前の祈りをする。

「我が星の実りの神、わたしたちと共に今日も食しましょう」

 リブサーナとピリンとハミルトンは夕餉を味わった。

 リブサーナの部屋は一部屋で四人が寝られるほどの広さで、クローゼットと机と椅子、壁付けの本棚、他にもカウンターにあるスペースネットが使えるようになったコンピューターのデスクトップとキーボード、星内の番組が観られるモニタービジョンもあった。

 それから壁にはリブサーナが記憶を映像化する装置でプリントアウトした亡き両親と姉ゼラフィーヌと兄シグワールと映っている写真パネル、その隣にはグランタス艦長、ドリッド、アジェンナ、ブリック、ピリン、ヒートリーグと映っている写真パネルが飾られていた。

 実の家族と次の家族、リブサーナにとってはもう目の前にはいないけど、記憶の中では存在し続けている。

 窓から見える夜空には紺青の地に金銀の粉をまぶしたような星々が輝いていた。


〈ワンダリングスターズ・完結〉